特別利子補給制度の税務

posted by 2021.03.1

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 コロナによる特別貸付制度で借入をした場合に実質無利子となる特例があります。

 

 民間金融機関が保証協会と連携して実施する貸付けの場合は、通常初めから無利子無保証料となっていますが、政策公庫や商工中金など政府系が実施する貸付けの場合は、利子補給(無利子化)は中小機構という別の団体が行うため、別途申請が必要です。つまり利息は一旦月々払った上で、3年分の利子を一括して受け取ることになります。

 

 この利子補給の税務上の取扱いが国税庁のQ&Aで新たに出ていました。

Q.3年分の利子に相当する補給金は交付決定を受けた事業年度にまとめて収益にしなければならないのか。

A.一括で収益計上する必要はなく、利息の支払いに対応させて収益に計上する。

 経理処理としては、受け取った段階で『前受金』として計上し、利子の支払いに応じて『雑収入』に振り替えていきます。
利子を支払って同額が収益計上されるので、プラマイゼロになり、法人税や所得税は課税されません。
利子補給金に課税されると、無利子化の意味がないので当然と言えば当然ですが、正式に取扱いが出されました。

 根拠としては、利子補給金は借入条件によって変動するので確定しているものではないという考え方です。
例えば3年以内に繰上返済した場合には、払う予定だった利子がなくなるので、受け取った利子補給金を返還する必要があります。

 

 利子補給の手続きはさほど複雑ではありませんが、多少気をつける点もありますので次回見ていきます。