今さら聞けない青色申告特別控除

posted by 2021.02.26

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 個人が青色申告をするメリットはいろいろありますが、青色申告特別控除はメインの1つです。
帳簿をきちんとつけていれば認められる控除で領収書の要らない経費と言えます。
令和2年分の確定申告においては控除が「10万円」「55万円」「65万円」の3種類になっています。

 

① 10万円

<要件>
簡易簿記で帳簿をつけている。

<簡易簿記とは>
・こづかい帳のような単純な帳簿

<帳簿とは>
・現金出納帳
・売掛帳
・買掛帳
・経費帳
・固定資産台帳

 こう書くと大変そうですが、売掛帳は売上を集計したもの、買掛帳や経費帳は支払を集計したもので、確定申告をするなら自然に作成するはずです。
固定資産台帳は30万円以上の資産を買った場合に必要ですが、決算書の中に対応するページがありますので、それを記入すれば帳簿になります。

 10万円控除を受けるための帳簿は、白色申告をする場合でも必要なレベルなので、10万円経費が増えるなら青色にしないと損と言えます。

 

② 55万円

<要件>
・不動産所得又は事業所得がある。
・貸借対照表及び損益計算書を作成し、期限内申告
・複式簿記で帳簿をつけている。

<複式簿記とは>
・仕訳をきる必要がありますが、弥生やフリーなど会計ソフトに入力すれば自然に複式簿記になり、貸借対照表や損益計算書ができます。

・現金主義ではなく発生主義になります。具体的には売掛金や買掛金、未収入金や未払金などお金が動いてなくても、年内の取引に関わる残高を貸借対照表で表現していきます。

<必要な帳簿>
・10万円控除に必要な帳簿
総勘定元帳(会計ソフトに入力すれば自然にできます)

 貸借対照表を作ることと発生主義にすることが10万円控除との差ですが、会計ソフトを使えばさほど難しくありません。

 

③ 65万円控除

<要件>
55万円控除と同じ内容
電子申告または電子帳簿保存をしている。

<必要な帳簿>
55万円控除と同じ

 電子帳簿保存はまだハードルが高いですが、電子申告はさほど難しくありません。

 昨年までは、②の要件を満たしていれば65万円控除だったのですが、基礎控除の10万円アップのあおりで55万円に引き下げられました。
しかし、電子申告をすれば65万円控除に返り咲くなので、結果として10万円減税されることになります。

 

 令和2年は持続化給付金など臨時収入もあることから、今まで10万円控除だった方も65万円控除にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。