令和3年度税制改正大綱 ⑨ 検討事項

posted by 2020.12.28

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 最終回は大綱の末尾にある「検討事項」です。
ここには改正したいけど諸々の制約などからまだできていないものが書かれたりします。
近い将来実現する可能性もあるので確認しておきます。

 

1.年金課税

 拠出・運用・給付を通じて課税のあり方を総合的に検討する。
例えば、拠出では公的年金、私的年金など働き方で差が出ないように、給付では一時払いか年金払いかで差が出ないように、など税制が老後の生活や資産形成を左右しない中立的な制度にしていく

 

2.金融所得課税の一体化

 意図的な租税回避を防止する方策を検討し、個人投資家が多様な金融商品に投資しやすい環境を整備する。

 

3.小規模企業の税制

 個人事業主、同族会社、給与所得者のバランスや法人成り企業への課税のバランスを図る。
引き続き、所得の種類に応じた控除と人的控除の在り方を全体として見直し、所得税・法人税を通じて総合的に検討する。

 

4.所有者不明土地問題

 相続時の登記義務化、新たな職権的登記の創設を含めて、令和4年度税制改正で検討する。

 

5.自動車諸税

 保有から利用への変化やカーボンニュートラルに対応するために、受益と負担の関係を含め、地方の財源を確保しつつ、中長期的に検討する。

 

8.税理士制度

 コロナや電子化など社会の変化に対応するため、税理士法の改正を視野に入れて検討する。

 

 表現が抽象的なのと、毎年検討事項に上がっている項目もあることからあまり目新しさはありませんが、所有者不明土地問題の解決につながる登記義務化については早期実現が期待されます。

 

 事務所の年内業務が今日までであるため、あさびじも今日が年内最後となります。
1年間読んでいただき、ありがとうございました。
新年は1月5日からスタートします。
来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。