8回目は法人税関連でまだ触れていない減税項目を見ていきます。
1.中小企業投資促進税制等の延長
<概要>
中小企業者等の設備投資に関して特別償却や税額控除ができる「中小企業投資促進税制」「中小企業経営強化税制」「中小企業防災・減災投資促進税制」について、一部見直した上で来年3月までの期限がそれぞれ2年延長されます。
なお、「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」については来年3月の期限到来で廃止されますが、内容的には「中小企業投資促進税制」に吸収されます。
<中小企業投資促進税制>
① 業種の追加
不動産業、物品賃貸業、料亭等、商店街振興組合などを追加
② 対象資産(改正なし)
機械装置(1台160万円以上)、ソフトウェア(合計70万円以上)、工具(1大30万円以上かつ合計120万円以上など)等
③ 軽減額(改正なし)
特別償却30%又は税額控除7%(法人税の20%が上限)
2.カーボンニュートラル投資促進税制
<概要>
カーボンニュートラルとは二酸化炭素の排出量と吸収量を同じにして温暖化を防止しようという考え方です。
日本は2050年までの達成を目標としており、中長期環境適応計画の認定を受けて対象設備を取得した場合には、特別償却又は税額控除が可能となります。
<軽減額>
特別償却:50%
税額控除:5%又は10%(CO2削減に著しい効果)
税額控除についてはDX投資促進税制と合わせて法人税の20%が上限となります。
大企業に関しては、他の税額控除と同様に給与の増加、償却費の30%以上の投資、所得減少のいずれかが要件として追加されます。
<時期>
産業競争力強化法改正日~令和6年3月31日までの投資
カーボンニュートラルに関しては、どんな資産が該当するのか、事業適応計画の認定がどの程度難しいのかがまだ分からないので何とも言えませんが、中小企業投資促進税制については、事前準備もいらないですし、対象業種も増えたことから今後も使いやすい制度であると言えます。