申告及び納付期限延長の注意点

posted by 2020.06.5

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 国税庁のHPでコロナ関連のQ&Aが更新されているのでその紹介と納税猶予の手続きを実際にやってみて分かった注意点をまとめてお伝えします。

 

1.国税庁HPのQ&A

<申告期限の延長と納期限の関係>

 所得税、法人税、相続税ともメモするだけで申告及び納付期限の個別延長ができます。
いつまで延長されるかと言うと「申告できるようになった時」です。
つまり「申告書の実際の提出日=申告期限=納付期限」となります。

 今回のQ&Aでは、郵送で提出した場合には、郵便が処理された日が納付期限になるので注意して下さい、という一文が足されています。

 なお、納付については、2月以降に売上が前年比20%下がっている月があれば1年猶予されますが、猶予申請の期限は納付期限です。
つまり、申告期限を延長して、納付期限をさらにそこから延ばす場合には、申告と同時に納税猶予の申請が必要なことになります。

 

2.納税猶予の注意点

<中間申告>
 中間申告(予定納税)の納期限は確定申告の期限までになります。例えば10月決算法人の消費税の予定納税の期限は6月30日です。
これを延長する場合、1年の延長はできず、この例では確定申告期限である12月末となります。

 

<複数税目を申請する場合>
 法人税、消費税、源泉所得税など国税であれば同時に1枚の申請書で提出できます。
ただし延長期限は同時に申請したものの中で最も早い日になります。
先述の中間申告分が入っている場合には同時に申請したすべての税金の猶予期限が確定申告期限までとなります。
 したがって複数税目を申請する場合は1枚にまとめず、別々に申請書を作成した方が猶予期限を長くすることができます。 

 

 

<源泉所得税>
 毎月納付をしている場合には翌月10日が納期限となるので、毎月申請書を出す必要があります。
なお売上や経費の数字は最初に提出したものから変える必要はありません。
毎月出すのは手間ですが中身は変えなくていいのがまだ救いです。

 

<添付書類>
 税務署も新しい制度で混乱しているのか、国税局による差、税務署による差があります。
売上台帳で済むところ、試算表がいるところなど様々ですが、不足資料があればあとで補えば済みます。

 

 税理士も税務署も手探りなところはありますが、税務署も鬼ではありませんので相談にはちゃんと乗ってくれますし、猶予も認める方向で動いてくれます。
使える制度は使いつつ、事業の立て直しを進めていきましょう。