令和2年度税制改正大綱 ⑫ あとがき

posted by 2020.01.7

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 税制改正大綱の最終回は「あとがき」です。
大綱の最後の部分に「検討事項」というページがあります。
ここには改正したかったけれど議論の時間が足りなかった項目や政治的要因で先送りになった項目などが書かれています。
検討事項として挙げられた内容が数年後に実現していることもよくあるので、今後の方向性を占う上でも確認していきます。

 

(1)年金課税のバランス

・年金受給者が増加する中、世代間、公的年金と民間年金、他の投資、給与などとのバランスに留意して、拠出・運用・給付を通じて課税のあり方を総合的に検討。

優遇され過ぎている年金の課税強化。具体的には公的年金等控除額の縮小(?)

 

(2)金融所得課税の一体化

・多様な金融商品に投資しやすい環境の整備が必要だが、租税回避行為の防止策も必要。

⇒貯蓄から投資への流れを促すため、デリバティブなども株式と一体課税(?)

 

(3)個人と法人成りのバランス

・働き方の多様化を踏まえ、個人事業主、同族会社、給与所得者のバランスに配慮し、所得からの諸控除や人的控除を全体として見直す。

法人設立メリットが縮小(?)

 

(4)カジノへの課税

・ギャンブルへの税金についてITも使いつつ、納税環境を整備する。

IR推進のため、事務負担や国際競争力を考慮して整備。儲けはITで透明化(?)

 

(6)自動車への課税

保有から利用への変化や環境負荷低減の要請を踏まえ、地方財源を確保しつつ、中長期的に検討。

⇒国と地方の財源の綱引きは続きそう。将来的には走行距離に応じた課税(?)

 

(8)医業への課税

事業税の優遇や法人税の軽減税率について、税負担の公平と地域医療の確保を考慮しつつ検討。

⇒政治的な綱引きは続きそう。将来的には都会の病院は増税(?)

 

 なお「⇒」の先のコメントはあくまで予想なので話半分で読んでおいて下さい。

 前回までご紹介してきた内容はあくまで「大綱」であって決定事項ではありません。
今後、国会審議を経て内容が具体化した段階で、詳細な内容をご紹介していきます。