証券会社と副業とマイナンバー

posted by 2019.07.23

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 昨日の記事の中で、証券会社へのマイナンバー登録の義務化が3年延長されたという内容をご紹介しましたが、同時に行われた改正も重要です。

それは証券会社によるマイナンバー検索情報提供の明文化です。

 

<マイナンバー検索>

 現状、証券会社にマイナンバーを登録している人は4割程度に留まることから、証券会社からマイナンバーを検索できる制度が2020年4月に導入されます。
具体的には証券会社直接ではなく、「ほふり」が住基ネットにアクセスしてマイナンバーを把握し、証券会社は必要に応じて「ほふり」から情報提供を受けます。
「ほふり」とは「証券保管振替機構」のことで証券会社から預けられた投資家の株式などを集中保管し、名義書き換えや売買に伴う受け渡し、発行会社への株主通知などを行っています。

 

<情報提供の明文化>

 従来から税務署には質問検査権があるので、「この人の残高を出して下さい」というように個人を特定すれば口座の情報を入手できました。
ただし、個人が特定できていない場合は、民間企業に対して情報提供を要請できる法的根拠がなく、あくまでに任意での協力要請でした。
そこで改正により、民間企業であっても一定要件を満たせば(怪しい人に関しては)情報提供を要請でき、応じない場合の罰則もできました。

 

① 提供される情報

 氏名(名称)、住所、マイナンバー(法人番号)

② 対象事業者

 仮想通貨事業者、動画サイト事業者、アフィリエイト等の広告事業者,副業サイト等の運営者、脱税指南事業者、金地金の取引事業者など

③ 一定要件

・過去の税務調査統計で過半数で更正すべき内容であった業種(所得金額等が1000万円超)

・その商品やサービスを使うことで脱税が推測される場合

・法定調書に引っ掛からないギリギリの取引など不自然な取引により脱税が推測される場合

 

 この2つの改正により、証券会社の取引に関しては事実上マイナンバーでの名寄せが可能となっていて、仮想通貨や副業に関しても申告漏れの多い業種に限られますが業者への情報照会が可能になっています。