闇営業と税務調査

posted by 2019.07.24

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 政治や芸能で大きなニュースになっていてお金が絡んでいると税務署も動いていることが多いです。
捜査の足掛かりのための税務署が先に動くこともあれば、報道から申告漏れが想定されるので後から動くこともあります。

 

 連日ニュースが続く例の闇営業の問題について税務署の視点で検証してみます。

 報道によると50万円や100万円といった謝礼(出演料)を申告していなかったようで、既に修正申告は済ませているそうです。

 修正申告した場合の罰金ですが、延滞税過少申告加算税があります。
延滞税脱税でなければ1年分(5年前は2.9%)、脱税の場合は当初の期限から修正申告までずっとかかります。
過少申告加算税(本税の5~15%)は税務調査予告前に自主的に修正申告すればかかりません。
今回の件は金額的にも悪質というわけではないし、税務調査ではなく報道により修正申告したと思われるので、延滞税は1年分、過少申告加算税はなしと考えられます。

 

 修正申告はしていますが、税務署の目線だと「それ1件じゃなくて他にもあるんじゃないの?」という発想になりそうです。

 では税務署は闇営業の売上げをどうやって調べるんでしょうか。

 振込みであれば通帳を追えば分かりますが、現ナマであればそれもできません。
そこで支払った側に着目します。
芸能人への支払いであれば10.21%(100万円超の部分は20.42%)を源泉徴収した上で、年間5万円を超えれば税務署に支払調書を提出する必要があります。

 ただし、支払調書は必ずしも出されているとは限らないので、一般企業に税務調査に行った際に、個人への外注費や報酬の支払いであれば片っ端からメモして帰ります。
その情報を集めてデータベース化して申告に漏れがないかチェックしています。

 逆に言うと払った側で経費にしていなくて、現金でもらった謝礼(例:結婚式の司会や余興の謝礼)であればバレにくいということになります。

 果たして今後税務署による追及はあるのでしょうか。