遺贈と死因贈与

posted by 2019.07.18

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 似て非なる「遺贈」「死因贈与」

「遺贈」という言葉は遺言との関連性で何となくイメージがわきますが、「死因贈与」はあまり馴染みのない言葉だと思います。
相続税法の試験では「相続又は遺贈死因贈与を含む)」と遺贈と同じ扱いとして覚えましたが、民法上は別モノです。

 違いを比較しながら見ていきます。

 

<定義>

遺贈:遺言により財産を無償で譲ること

死因贈与:贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与

 

<法的行為>

遺贈単独行為(遺言)

死因贈与契約(贈与)

 

<要件>

遺贈:有効な遺言(一方的)

死因贈与:双方の合意

 

<撤回>

遺言いつでも何度でも可能で最新のものが有効

死因贈与:契約なので贈与者が一方的に撤回できない

 

<メリット>

遺言:贈与者は内容を秘密にできる。受贈者は放棄ができる。

死因贈与:遺言より簡単。確実に財産を渡せる。

 

<取得の税金>

遺贈:相続税

死因贈与:相続税

 

<不動産の税金>

遺贈:相続扱いで、不動産取得税0%、登録免許税0.4%と低い

死因贈与:贈与扱いで、不動産取得税3or4%、登録免許税2.0%と高い

 

 まとめると相続税に関しては同じですが、不動産の税金は死因贈与の方が何倍も高くなります。
法的には、死因贈与は確実に渡せる(もらえる)反面、取り消しにくい(放棄できない)のが特徴です。
それぞれの特徴と税負担を考慮した上で、渡し方を決めるようにしましょう。