億り人と損益通算

posted by 2019.05.31

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 国税庁から2018年の確定申告状況が公開されていました。
それによると仮想通貨取引を含む”雑所得”の収入を1億円以上で申告した人は271人(前年比18%減)だったそうです。

 ビットコインの場合、2017年は年初に約11万円だったものが、11月に約220万円になるという急騰した年で「早く買わないと損する」というような雰囲気が漂っていました。
その後2018年は下落基調で年末には約42万円まで下がったこともあり、いわゆる”億り人”は減ったようです。
2019年は4月から上昇し、昨日現在では約96万円と上昇基調にあります。

 ちょっと戻してきたから売ろうかなと思われる方もあるかも知れませんが、それでも損している場合はどうなるのでしょうか

 仮想通貨の売買は”雑所得”に該当するので残念ながら給与所得や事業所得と損益通算することはできません。
損益通算できる赤字は、”富士山上”(不動産、事業、山林、不動産以外の譲渡所得)から発生したものに限られます。

 ただし、雑所得の赤字であっても同じ雑所得の箱の中の所得とは通算できます。
雑所得の例としては、公的年金、民間の年金、原稿料、講演料、アフィリエイト収入、貸付金の利子などがあります。
これらの所得がある場合は、仮想通貨を売却して確定した損失と損益通算して還付あるいは税金を減らすことができます。

 一度はブームの去った仮想通貨ですが相場も戻りつつあり、金融商品としてだけでなく、通貨として今後どうなっていくかも注目されます。