戸籍の簡素化とマイナンバー

posted by 2019.03.22

syorui_kosekitouhon

 最近あったマイナンバー関連の話題を2つ。
1つは目に見えてメリットのある話、もう1つは少し手間のかかる話です。

 

 まず目に見えてメリットのある話から。

 相続があった場合には不動産や預金の名義変更をするために、戸籍を集める必要があります。これが手間もお金もかかります。

 戸籍は法定相続人が誰であるかを確定させるために必要なのですが、そのためには出生から死亡までの戸籍の移動を全部つなげる必要があります。
順番に遡っていくのですが、どこまで必要かは実際に取ってみないと分かりませんし、遠方のこともあります。
費用も部数を少し多めに取るので数万円になることもあります。

 手続きを簡略化して欲しいという要望が多く、手間を理由に不動産が未登記で放置されることもあることから戸籍法が改正され、本籍地以外でも戸籍が取れるようになる予定です。
時期は2024年前半予定とかなり先ですが、実現すれば戸籍を集めるのがかなり楽になりそうです。
完全に電子化されるのでその段階でマイナンバーと紐付けされることで各種行政手続きは簡素化されるはずです。

 例えば引越しの際の住民票、電気ガス水道の手続き、児童手当の申請などが一括で手続きできるようになりそうです。
さらに民間部門では処方箋の発行や不動産の売買契約の電子化も検討されており、社会全体の生産性向上が期待されます。

 

 これらの前提となるのがマイナンバーですが、マイナンバーカードの普及率は約1割に留まっています。
メリットが見えない中、手間もかかりますし、最初に配布された『通知カード』が代用品として使えるのが普及していない理由です。

 そこでこの通知カードを廃止して、マイナンバーカードの発行を促す方向で進んでいます。
時期は電子化を推進するデジタルファースト法案が公布されてから1年以内です。
少し先になりますがこれがもう1つの少し手間のかかる話です。
マイナンバーカードが普及しないことには電子化が進まないのでやむを得ないのではないでしょうか。

 

 マイナンバーですべてがつながる不安はどこまでいっても0にはなりませんが、セキュリティを万全にした上で、目に見えるメリットを増やし、社会全体の生産性向上につなげて欲しいものです。