消費税の控除の仕組み①

posted by 2019.02.26

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 消費税は日々の買い物や食事で支払う身近な税金ですが、申告する上ではややこしい理屈がいろいろあります。

 その1つが仕入れに係る消費税が控除できるかどうかが、対応する売上げに左右されるというものです。

 

 消費税は『多段階課税方式』を取っています。
原材料業者→製造業者→卸売→小売→消費者とモノが流れていく場合、各段階で消費税を課税されます。
各事業者はリレーのように消費税を転嫁していき、最終的に消費者が負担する仕組みです。
各事業者の消費税の申告では、売上げで預かった消費税から、仕入れや経費で支払った消費税を控除して、差額を国に納めます。

 

 逆に言うと預かった消費税がなければ、それに対応する消費税は引けないことになり、事業者が自己負担することになります。
例えば賃貸マンションの家賃収入には消費税がかかっていません。
住居に消費税を課すのは酷だということで政策上非課税とされています。
その非課税売上げに対応する仕入れ、例えば賃貸マンションの修繕費や光熱費を支払う場合、消費税も乗せて請求されますが、消費税の申告上は控除することができません。

 

 ただし、全ての経費が課税売上対応なのか非課税売上対応なのか、竹を割ったように区分することはできません。
賃貸マンションが売上げのメインだとしても駐車場収入など課税売上げもあることが多いでしょう。
そのような会社で、例えば税理士に手数料を払ったとしたらどちらの売上げに対応するでしょうか。
明確に区分できないので「課税売上げと非課税売上げに共通する課税仕入れ」という扱いになり、課税売上げの比率で控除を受けることになります。

 この計算方法を『個別対応方式』と言います。
仕入れや経費を「課税売上対応」「非課税売上対応」「共通売上対応」に区分する必要があるので手間がかかります。

 

 段々学校の勉強みたいになってきて複雑なので今日はここまでにします。

 最終的には消費税の控除に関して、最近頻発している税務署の更正処分について触れたいのですが、その前提となる理屈の解説がもう少し続きます。