前回の続きで消費税のインボイス方式における経過措置や事務負担軽減措置について見ていきます。
インボイス方式の導入は来年の増税からさらに4年後の2023年10月とかなり先のことですが、影響が大きいため、経過措置も含めてすでに発表されています。
前回と同様、Q&A形式で見ていきます。
2.インボイス導入時【適格請求書等保存方式】
Q1
免税事業者からの仕入れが消費税控除できないなら、実質値上げになる免税事業者は取引から排除されてしまうのではないか。
A1
免税事業者からの仕入れであっても、3年間は80%、その後3年間は50%の仕入税額控除が可能(その6年の間に準備をして課税事業者を選んで欲しいという趣旨)。
Q2
請求書や領収書がない場合はどうすればいいのか。
例:公共交通、自動販売機、卸売市場、農協等で売る野菜、郵便物のポスト投函
A2
公共交通や自動販売機は3万円未満であればインボイス不要。
卸売市場、農協等で売る野菜、郵便物のポスト投函については条件を満たせばインボイス不要。
Q3
不特定多数に販売やサービス提供をする業種はどうすればいいのか。
A3
不特定多数の者に販売を行なう小売業、飲食業、タクシー業等については「適格簡易請求書」でOK
<原則>
① 書類作成者の氏名又は名称
② 取引年月日
③ 内容
④ 金額(税込)
⑤ 書類受領者の氏名又は名称 ⇒不要
⑥ 軽減税率である場合はその旨
⑦ 税率ごとの合計金額
⑧ 税率ごとの消費税額及び適用税率⇒税率ごとの消費税額又は適用税率
⑨ 登録番号
A1については6年間の経過措置ですが、A2とA3については特に期間の定めのない事務負担軽減措置です。
ただ、A3については9つの項目が7.5になるぐらいなのでさほど”簡易”にはなっていません。
軽減税率導入後の4年間で実際の事務負担や世論の反応を見ながら、インボイス制度を微調整していくと考えられます。