税務調査シーズン

posted by 2018.11.2

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 税務調査は7月に人事異動があることや、1~3月が税理士の繁忙期であることから8~11月がピークです。

 最近は税務署内の事務手続きが煩雑になったこともあり、調査間隔は伸びています。以前は黒字なら3年おきに来ることもありましたが、最近は5~8年おきというケースが多いです。

 今年は仕事を始めて以来最も多くの調査を受けましたが、税務署の締日が年末であることからそれも終わりつつあり、あと数件を残すのみです。

 その中で感じた最近の傾向をご紹介します。

 

<法人>

 経費の妥当性(交際費や修繕費等)、在庫、消費税といった基本的なところを重点的に調べていたように感じます。
特に増税が近い消費税は、国民に負担を強いる分、徴収もしっかり行いたいという考えがあります。

 

<個人>

 売上除外、架空人件費などこちらも基本的なところを重点的に調べていたように感じます。

 税務調査を複数回受けていると「前回は大丈夫やったのに今さら言われても納得いかん」ということはよくあります。
そのため税務署側でも人によるムラをなくしたいようで、基本的なことをしっかり押さえるという傾向があるように思います。

 また税務署も一般の例にもれず人手不足なので、部門間の移動でやりくりしているケースも多いようです。
そうなると経験の少ない税目や業種を担当した場合は、まず基本的な項目を調べていく、ということもあるのかも知れません。

 

<相続税>

 法人税、所得税、消費税に比べて読みにくいのが相続税の調査です。
海外関係を重視する傾向は依然としてありますが、それ以外の部分では調査官による差がかなりあります。

 不動産の評価方法をじっくり見る人、預金の動きを徹底的に見る人、原理主義的な理屈を言う人、「まあこれぐらいで」とまとめに来る人などいろんなタイプがいます。
そのため、当初申告の段階から全方位的に準備をした上で対応することが必要になってきます。

 

 どの税目にも共通することですが「ここやばいかも」と思ってるところはやはり予想通り指摘されます。
たまたま言われないこともありますが、それはラッキーが重なっただけで、運を当てにしていては資金繰りや経営に影響を及ぼすことに成り兼ねません。

 

 税務調査は納税者の方にとっても我々税理士にとってもしんどい”行事”ではありますが、日頃ちゃんと処理しているか、突き詰めて考えられているかといったことを問われる機会でもあります。

 あとオマケとして税務調査が終わると資料を思い切って処分できる、というのもありますが。