令和3年度税制改正大綱 ⑤ 個人所得課税

posted by 2020.12.22

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 5回目は個人所得課税について見ていきます。

 

1.セルフメディケーション税制

<概要>
 薬局で買った薬について医療費控除を受けやすくして、医療費を抑える目的で導入されたのが『セルフメディケーション税制』ですがあまり普及していません。そこで内容を見直して、手続きも簡素化した上で5年延長されます。

<内容>
・医療費削減につながらない医薬品を除外
・スイッチOTC医薬品以外で医療費削減の効果が高いものを追加
・健康診断や予防の取組みに関する書類を提示不要に(但し5年保存)

<時期>
・令和3年分の所得税から

 

2.退職所得課税の適正化

<概要>
 勤続5年以下の退職金については、従来の役員だけでなく従業員も1/2軽減措置から除外されます。

<内容>
・退職所得控除後の金額を1/2にする措置について、勤続年数5年以下の従業員も除外
・但し、300万円以下(退職所得控除後)までは引き続き1/2課税OK

<例>
勤続4年なら460万円以下(4年×40万円+300万円)であれば、1/2課税は使えるので一般の方は普通に使えます。
・役員にならずに従業員として天下りする場合や同族会社での利用を制限する目的があると考えられます。

<時期>
・令和4年分の所得税から

 

 セルフメディケーション税制については、使える制度になるかどうかは指定される医薬品の内容次第です。
退職金課税については、引っ掛かる方は限られますが、税額は大幅に増えることになりそうです。