改めて”マイナンバー”とは

posted by 2020.06.15

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 給付金の受給や口座との紐付けで久しぶりに話題になった「マイナンバー」ですが現状どうなっているのでしょうか。
メリットとデメリット、今作るべきなのかといった観点で確認します。

 

 まず『マイナンバー』『マイナンバーカード』を分けて考える必要があります。
『マイナンバー』は12桁の番号そのもので日本に住民票がある人全員に既に付けられています。これに対し『マイナンバーカード』希望者にのみ発行されていて、極論すればマイナンバーの証明書兼身分証明書に過ぎません。

まず『マイナンバー』について改めて見ていきます。

 

【目的】

 社会保障、税、災害対策の3分野において共通番号を使うことで、個人の特定を確実かつ迅速に行い、”便利なくらし、より良い社会”を目指す。

 

【メリット】

・行政処理のスピードアップ

・申請時の添付書類の減少

・行政手続きのワンストップサービスの実現

 

【懸念】

・情報流出(←情報の分散、マイナンバー自体を使わないなどの保護措置)

・なりすまし(←マイナンバーのみで手続きせず、身分証明書で本人確認)

 

【実際に使う場面】

① 社会保障
・生活保護の申請
・失業保険や健康保険給付の申請
・保育園申込み
・その他介護、福祉、子育て関係の各種申請や届け出 等

② 税
・確定申告書
・扶養控除等申告書(サラリーマンが会社に提出)
・報酬料金や家賃の支払調書(支払った側が作成して税務署へ提出)
・銀行口座作成(任意)
・証券会社(新口座は必須、既存口座は2021年末までに提供) 等

③ 災害対策
・被災者台帳の作成
・救助費用や支援金の支給事務 等

 

 これらの3分野におけるマイナンバーの提供は義務化されているものが多いですが、カードの普及や国民感情を考慮して、特に罰則や不利益のない状態で現状は運用されています。

 コロナ後に話題になった口座との紐づけについては①②③それぞれに関わってきます。
定額給付金10万円に関しては、申請内容と住民基本台帳の照合が手作業であるため膨大な時間がかかっていますが、マイナンバーと口座を紐づけしてあればシステム的にチェックが可能で時間短縮につながりそうです。
ただ全ての口座を紐づけされると丸裸にされる印象もあるので、給付面でメリットが感じられる1口座の義務化の方向で議論が進んでいるようです。

 

 次回は『マイナンバーカード』について見ていきます。