平成31年度税制改正大綱 ⑥ 法人税編

posted by 2018.12.26

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 税制改正大綱6回目は法人課税です。
今回は研究開発税制の見直しと中小企業支援を取り上げます。

 

(1)研究開発税制の見直し

<概要>

 研究開発を行なう企業を後押しするためにメリハリをつける方向の改正が行われます。

・研究開発を行うベンチャー企業の研究開発税制の控除の上限を法人税の25%から40%へ拡大。

設立後10年以内の法人のうち、繰越欠損金があるものを言います。これは8年目以後、繰越欠損金の消化が制限されるため、その期間の税額を軽減するための措置です。

・試験研究費の税額控除に関して売上の1割超を研究費に充てる場合の上乗せ特例の2年延長

・特別試験研究費の税額控除率を20%に。さらにベンチャーとの共同研究や委託研究であれば25%にアップ。

 

(2)中小企業支援

<概要>
 中小企業に関する下記の特例の適用期限が2年延長されます。

・法人税の軽減税率(800万円まで19%⇒15%)

・中小企業投資促進税制(一定の機械やソフト:特別償却30%又は7%税額控除)

・中小企業経営強化税制(一定の機械、設備、ソフト:即時償却又は10%税額控除)

 

 また災害対応の設備投資に関して特別償却制度が創設されます。

・事業継続力強化計画等の認定を受けて平成33年3月31日までに機械、器具備品、附属設備の設備投資をした場合に20%の特別償却

 

 研究開発税制、中小企業支援税制の延長とも現在活用している会社にとっては重要な延長です。特に中小企業の軽減税率については現状は800万円までは15%を基準に考えており、これが切れると一気に4%以上の増税になってしまうので影響は大きいです。