仕入税額控除の4回目は帳簿の記載事項の続きで今後の改正点について見ていきます。
3.改正での変更点
① 10%増税時(2019年10月~2023年9月)
<概要>
増税と同時に導入される軽減税率に対応するため、区分記載請求書等保存方式が導入されます。
<変更点>
原則の4項目(相手方・日付・内容・金額)+「軽減税率の対象品目である旨」が追加。
<軽減税率の対象>
・外食と酒類を除く飲食料品
・定期購読される日刊新聞
軽減税率対象でないものは従来の4項目から変わりません。
② インボイス導入時(2023年10月~)
<概要>
益税(受け取った消費税を納めない状態)解消のために適格請求書等保存方式(インボイス方式)が導入されます。
<インボイス方式とは>
消費税が明示された請求書等でないと、仕入れた側で消費税を控除ができなくなります。
適格請求書を発行するには登録事業者になる必要があり、登録事業者は課税事業者でないとなれません。
つまり免税事業者からの仕入れは、預かった側で消費税を国に納めていないため、買った側でも消費税を控除できないことになります。
<経過措置>
インボイス方式になると消費税の控除ができない小規模事業者から誰も買わなくなってしまうので経過措置が設けられています。
・2023.10.1~2026.9.30 仕入税額の80%は控除可
・2026.10.1~2029.9.30 仕入税額の50%は控除可
インボイス方式はあくまで売った側の請求書の作り方の話なので、買った側で作成する帳簿の4要件は変わりません。
唯一変わるのは免税事業者から仕入れた場合の経過措置を受ける場合で、その旨を帳簿に記載する必要があります。
増税も大きなトピックですが軽減税率とインボイス方式も今までとは大きく変わるのでレジの仕様変更など準備も必要になってきます。