増税メニュー目白押しの印象がありますが、企業活動や個人の生活にどのような影響があるのか内容を見ていきます。
1回目は「基本的考え方」から。
ここは”まえがき”にあたる部分で改正に関する大義名分や理念が書いてあります。
改正に至るストーリーを知ることで全体としての意図や今後の方向性を読み取ることができます。
まず経済の成長軌道を確かなものにするために「生産性革命」と「人づくり革命」により、少子高齢化を克服し、”一億総活躍社会”を作り上げる、と仰々しく始まります。
<生産性革命>
・生産性向上のための設備投資を後押しする減税。
・中小企業の代替わりを促進するために事業承継税制を期間限定で緩和。
<人づくり革命>
・持続的な賃上げを後押しする減税。
・働き方の多様化を踏まえ、様々な形で働く人をあまねく応援。
<地方創生>
・観光促進のために国際観光旅客税を創設。
・各自治体間の税収の偏りを是正。
<国際>
・温暖化対策の財源確保のために森林環境税を創設。
・国際的な課税逃れを防ぐ制度の整備。
<財政>
・人づくり革命を優先するため、基礎的財政収支の黒字化は難しくなる。
・財政が厳しいのでたばこ税は引き上げる。
・消費税の10%引上げ(平成31年10月1日)と軽減税率制度は予定通り。
印象としては「担税力に応じた課税」「格差の固定化につながらないように」といった表現から”取れるところから取る”という姿勢が垣間見えます。
たばこの増税や新税(観光や森林)に関しては文脈的に唐突な感じはありますが、これも取れるところから取る考え方の一環なのでしょう。
減税になる項目は具体的に、増税になる項目は抽象的に表現されている感もありますが、詳細は明日以降掘り下げていきます。