普遍的加入とは

posted by 2017.10.19

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 会社で福利厚生を目的とする保険に加入する場合、「普遍的加入」という考え方があります。

 福利厚生費は従業員全員に恩恵が及ぶのが原則です。
例えば忘年会等の行事は全員に参加するチャンスがあること、慰安旅行についても半数以上が参加することなどを要件に経費として認められます。

 保険についても同様で福利厚生目的であれば全員加入が原則で、特定の人をえこひいきすればその人への給料という扱いになり、本人に税金がかかります。
ただし「加入資格の有無、保険金額等に格差が設けられている場合であっても、それが職種、年齢、勤続年数等に応ずる合理的な基準により普遍的に設けられた格差であると認められるときは当該役員または従業員に経済的利益はないものとする。」と通達に定められています。

 例えば勤続3年以上で加入(入社後すぐだと退職の可能性もある)とか、一般社員は保険金500万円で役職者は1000万円といった格差は普遍的(共通しているの意)と認められます。

 

 福利厚生目的の保険と言えばかつては養老保険が定番でした。
これは死亡保険金の受取人が従業員の遺族、満期保険金の受取人が会社という形態で、保険料の1/2が経費になります。
従業員の万一に備えながら、満期の場合は会社に戻る貯蓄の要素もあるのでかつてはよく契約されていました。

 最近では利回りの低下もあり契約数は減っており、福利厚生目的だと掛け捨ての定期保険に加入するケースが多いようです。
定期保険では被保険者は従業員ですが契約者、保険金受取人とも会社です。
万一の際は保険金が一旦会社に入って、会社は死亡退職金として遺族に支払います。

 定期保険の場合も養老保険のように普遍的加入が求められるかというとそこまでは必要ありません。
というのも保険金が一旦会社に入るので「えこひいき」とまでは言えないためです。
保険金が一旦会社に入るとは言え、万一の場合の退職金が前提なので福利厚生としてのメッセージ性もあり、掛け捨てで保険料も安いことから福利厚生としては有効な手段と考えられます。