広大地評価の改正 ⑤減税になるケース

posted by 2017.09.27

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 広大地評価の改正は前回の例1、2のように増税になるイメージが強いですが実は減税になるケースもあります。

 

<例3>
 不整形で道路に面していない普通住宅地区にある1000㎡の農地

≪改正前≫

補正率:0.6-0.05×1000㎡/1000㎡=0.55

10万円×1000㎡×0.55=5500万円

≪改正後≫

補正率:(1000㎡✕0.9+75)/1000✕0.8=0.78

(10万円×不整形地0.7×無道路地0.8-造成費1万円×1000㎡×0.78=3588万円

 従来使えなかった各種補正率や造成費が控除できるので評価は下がります。
他にも奥行長大、間口狭小、がけ地の補正、セットバックの必要な土地に関する評価減も併用できるようになります。

 

<例4>
 周りにマンションしかない普通住宅地区の自宅1000㎡

≪改正前≫

補正率:適用なし(マンション適地)

10万円×1000㎡=1億円

≪改正後≫

補正率:例3と同じ0.78

10万円×1000㎡×0.78=7800万円

 従来は一戸建てを想定しているため、マンションに囲まれた土地は広大地になりませんでしたが、改正後は用途での制限がないので評価は下がります。

 

<例5>
 間口125m×奥行8mの普通住宅地区の空地1000㎡

≪改正前≫

補正率:適用なし(道路提供なしで一戸建て建築可)

10万円×1000㎡=1億円

≪改正後≫

補正率:例3と同じ0.78

10万円×1000㎡×0.78=7800万円

 一戸建てを建てる際に広すぎると道路をつける必要があるのでその時だけ評価減するのが従来の広大地の考え方ですが、改正後はそのような縛りはなく、評価は下がります。

 

 上記の例のように各種補正が使えることや判定がシンプルになったことで減税になるケースもあります。
まずは増税なのか減税なのか評価してみてその上で対策を検討しましょう。
評価が下がる場合はいいとして、評価が大幅に上がる場合はどうすべきなのでしょうか。その対策は次回へ続きます。