自家消費とは

posted by 2017.09.20

makanai

”自家消費”という言葉をご存知でしょうか。

 自家消費とは「個人事業者が棚卸資産又は棚卸資産以外の資産で業務用に使用していたものを家事のために消費又は使用すること」を言います。
分かりやすい例で言うと飲食店をされる方が仕入れた材料を賄いで食べるようなケースです。
『それって普通じゃないの?』という感じですが税金の世界では注意が必要です。

 

 所得税の計算上は自分で食べたものであっても売上に計上する必要があります。
ではいくらで売上を計上するかと言うと原則は取得価額となります。
ということは仕入と売上が同額となり損益には影響しません。
その意味では仕入を始めから店用と家用と区分して経費から外す方法(事業主貸)も認められます
ただし貴金属のように利益率の高いものは取得価額で売上に計上するだけでは少ないので売値の7割以上で計上する必要があります。
結論としては売値の70%と仕入値の大きい方を売上に計上することになります。

 

 また消費税に関しても特殊な取扱いがあります。
自家消費した場合には原則時価(売値)で売ったものとして消費税がかかります
ただし利益率を考慮して売値の50%以上を消費税の売上として計上することも認められます
所得税と消費税で売上として認識する割合が違うので注意しましょう。

 

 個人事業者、特に飲食店の場合は自家消費が全くゼロということはないと思います。
極端な場合だとお客さんには出せないけど捨てるのはもったいないから家で食べる、という場合も不条理ながら売上になってしまいます。

 自家消費を無視するわけにはいきませんが、そもそも完璧に計算することが難しいのである程度概算で計上していても大きくは問題ないと考えます。