前回、海外視察について通達の書きぶりを見ていきましたが、その中で「おおむね全期間が業務であれば全額旅費でOK」というものがありました。
では”おおむね”って何でしょうか。
通達を掘り下げる形で法令解釈通達が公表されています。
ここでは「同業者団体等が主催して実施する海外視察等の機会に併せて観光が行われる場合」というよくある事例を前提にしています。
ポイントは『90%』と『50%』
90%以上が業務なら全額『旅費』でOKです。
逆に観光などが90%以上なら全額『給与』扱いとなります。
また業務の割合が50%以上90%未満なら往復の交通費は全額『旅費』、滞在費は日数に応じて『旅費』と『給与』に按分します。
日数の計算の仕方についても手順があります。
① 日程を4種類に区分
A 視察等(工場見学、展示会、市場調査、国際会議、セミナー、同業者団体の訪問、懇談等)
B 観光(自由行動、観光メインの見学、儀礼的な訪問、ロータリーの会議)
C 旅行日(移動日、但し観光のための移動はB)
D その他(ABに含まれない土日、休養日、帰国準備日)
② 日数の単位
おおむね0.25日単位(これ以上細かくする必要なし)。
昼間の通常の業務時間(おおむね8時間) を1日と換算。
夜間の業務があれば視察等の時間に加算。
③ 按分
A/(A+B) ※10%未満は四捨五入
移動日や休日は分母に含めず、視察等と観光だけで割合を計算。
計算はやたら細かいですが、”視察等”の範囲も広く、業務が50%以上なら往復旅費は全額「旅費」でOKなので通常の視察であればほとんどが経費になりそうです。
儀礼的な訪問や観光メインの視察と見られないようレポートや打合せの議事録を作成しておけばより経費として通りやすいでしょう。