デジタル遺品とは

posted by 2017.08.22

デジタル

 デジタル機器やインターネットを使ったサービスが全盛の現在、デジタル資産が持ち主の死とともに『デジタル遺品』化するケースが急増しています。

 

① デジタル遺品とは

 故人がデジタル機器やインターネット上に残した様々な情報を言います。具体的には、スマホ・パソコン本体・インターネット上のクラウドなどに保存されたままとなっている写真・動画・文章などのデータ、ネットバンキングの口座や株券、SNSやブログの記録などがあります。

 

② デジタル遺品の種類

【投資商品】
 ネットバンキングの口座や株券などの資産価値のあるものは当然遺産扱いになりますので、家族が情報を把握できないと遺産分割後に発見され、遺産争いの火種になる場合があります。
逆に故人がFXや信用取引などで損をしていた場合、多額の借金が亡くなってから発覚することもあります。

【SNSやブログの記録】
 FacebookやTwitterなどSNSに登録されている方やブログを開設している方も少なくないと思います。
放っておくと悪意のある第三者が故人に成りすましたり、嘘の情報を流したりする可能性もあります。

【ハードディスクに保存された文章や写真等】
 故人が趣味で集めたものや、家族の思い出などはハードディスクに保存されていることが多いでしょう。しかし、中には知られたくないものもあるかと思います。趣味や思い出の写真などを一緒に保存しておいた場合、見つけた遺族が困惑するかもしれません。

 

③ デジタル遺品特有の問題点

・パスワードのロックが自宅や金庫の鍵と違い、非常に強固

・ソフトやアプリが多岐に渡り、デジタルファイルの保存先がどこか本人以外に探すのが難しい。

不都合なデータも経年劣化せず、さらにSNSなどで拡散することもあり、完全な削除が事実上不可能。

・利用者の死後を想定していない機器やサービスが多く、ガイドラインの様なものが存在しない。

・遺族がパソコンに詳しくない場合、処分方法によっては個人情報流出の危険がある。

 

④ デジタル終活のススメ

 今では60代で約8割、80代以上でも約2割の方がデジタル機器を使用している時代です。パソコンに不慣れな方にデジタル遺品が遺された場合、従来ではありえなかったような形で遺族や得意先を困らせる危険性があります。
残される遺族のために、生前にスマホやネット銀行などのパスワードを伝えておくか、亡くなった後発見されるであろう場所に『デジタルエンディングノート』を残しておくなど、通常の遺品と同様に『デジタル遺品』も整理しておくことをお薦めします。