企業の内部留保が2016年末で375兆円に達し、過去最高を記録しています。
国としてはお金を貯めこまずに設備投資や給料に使うことで景気を循環させて欲しいのですが、企業も景気変動に備えるために財布の紐は固めです。
そこで内部留保に課税しようという話が時々出るのですが、制度としてはすでにあり、それが”留保金課税”です。
<概要>
特定同族会社が社内に留保した所得に対し、10~20%の追加法人税をかける制度。
<特定同族会社とは>
筆頭株主グループが過半数の株を持つ会社。
同族会社だけを対象にしているのは株主と経営者が一体であれば節税のために会社にお金を貯めこむことがあるためです。
配当や給料でお金を社外に出せばその時に税金を取れますが、会社に置かれると税金は取れません。
<計算>
(留保金額-留保控除額)×追加税率
※留保金額:所得-社外流出(配当や役員賞与)-法人税等
※留保控除額:次のうち多い金額
① 所得基準額:所得等の金額✕40%
② 定額基準額:2000万円
③ 利益積立金基準額:期末資本金の25%-利益積立金
※追加税率:~3000万円は10%、3000万円~1億円は15%、1億円超は20%
この条件だと多くの中小企業は該当しそうですが、実際には追加で法人税を払っているわけではありません。
事実上の停止条件があるのですが長くなるので次回に続きます。