意外と知らない遺留分②

posted by 2017.07.10

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 前回は遺留分のある人とその割合について見ていきましたが、2回目は遺留分減殺請求についてです。

 

 まず前提となるのが遺言があること
遺言がなければ相続人間で相続分を基準に遺産分割協議をすることになるので遺留分という話はでてきません。
遺言があって初めて遺留分相当がもらえていない(遺留分が侵害されている)、だからもらいすぎている人に請求する「遺留分減殺請求」が出てきます。”減殺”とは減らすことを意味し、”げんさい”と読みます。

 

 遺留分はあくまで相続人に認められた法律上の最低保証額であり、必ずしも遺留分相当額をもらわなければいけないわけではありません
そのため特に権利を行使しなければ遺留分を放棄したことになり、家庭裁判所への手続きは特に必要ありません(被相続人の生前に放棄する場合は家庭裁判所の許可が必要)。

 

 なお遺留分減殺請求権には時効があります。
遺留分が侵害されたことを知った日から1年、または相続開始から10年で消滅します。
亡くなってすぐ遺言の存在を知るわけではないので、遺言が見つかり中身を見て遺留分の侵害を知った日から1年とされています。
また遺言が出てくるかも、とずっと気にしないといけないのも無理があるので相続開始から10年でも時効になります。

 

 遺留分減殺請求をする場合には弁護士さんに依頼するケースが多いですが、いつ意思表示をしたかはっきり分かるように配達証明付きの内容証明で送るケースが多いです。

 遺留分減殺請求をする時点でケンカの始まりとも言えますが、なるべくもめないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
遺言の書き方と特別受益について次回見ていきます。