配偶者控除と配偶者手当

posted by 2016.11.8

tomobataraki_family

 迷走を続ける配偶者控除

当初は配偶者控除を廃止して共働き世帯にも控除を適用する夫婦控除の創設も検討されましたが猛反対で早々にフェードアウト。
配偶者控除に所得制限を設ける増税案も検討されましたが、現時点では配偶者特別控除を拡大する方向で議論が進められています。

 

 配偶者特別控除103万円を超えて急に手取りが減少するのを防ぐための制度年収103万円超141万円以下で3~38万円の控除があります。
改正によって、現状141万円以下となっている配偶者特別控除の上限を150万円~200万円に上げて、38万円控除できる所得を103万円から150万円前後まで引き上げることが考えられます。

 

 ただ配偶者特別控除自体がマイナーで、配偶者手当の存在も『103万円の壁』を残す理由となっています。
配偶者手当を支給する企業は約7割あり、そのうち40%が年収103万円基準、15%が年収130万円基準を採用しています。
手当の平均は年間16.7万円あるため、配偶者特別控除による税金減少額を上回ります。

 

 そこでまず国から変えようということで人事院が国家公務員の扶養手当を減らすように勧告しています。
勧告は配偶者手当を時間をかけて半減又は廃止し、子どものいる世帯への手当は増やす内容です。
民間でも配偶者手当を支給する企業は減りつつあり、社会保険の年収106万円からの加入も配偶者手当の年収基準を見直すきっかけになるかも知れません。

 

いずれにせよ働く意欲をそがない制度になって欲しいものです。
年末の税制改正大綱が注目されます。