相続後のスケジュール①

posted by 2016.10.26

cbce03b382b5e53ead92ab1847016407_s

 相続税の申告期限は亡くなってから10ヶ月以内ですがあっという間です。
資料収集、計算、分割の話し合いのそれぞれに時間がかかるためです。
また10ヶ月を過ぎてからも所得税など他の税金に影響する”期間”があります。
申告期限だけでなく、いつまでに何をすべきかを意識しながら進める必要があります。
まずは前編として申告期限までで気をつけるべき期限を見ていきます。

 

① 3ヶ月以内:相続の放棄

借金の方が多く相続を放棄する場合は3ヶ月以内に家庭裁判所へ申請します。
なお3ヶ月以内に調べ切れずに判断できない場合は3ヶ月以内に申請して期限を延ばすこともできます

 

② 4ヶ月以内:準確定申告書の提出

1/1から亡くなるまでの所得税の申告期限です。
年金の源泉徴収票のように取り寄せないと入手できない資料もあるため、早めの着手が必要です。

 

③ 4ヶ月以内:青色申告の申請期限

事業を引き継ぐ相続人が青色申告を選択する場合は申請書を出します
期限は原則②と同じ4ヶ月以内ですが9、10月の相続なら12/31、11、12月の相続なら2/15となり、4ヶ月より短くなるので注意が必要です。

 

④ 8ヶ月以内:株式の納税猶予の認定

非上場株式の納税猶予を受ける場合には事前に経済産業省の認定を受ける必要があります。
審査に時間がかかることから8ヶ月以内に申請することとされています。
短期間で集める資料も多いため、適用を考える場合は生前から要件を満たすかどうかを確認し、書類も可能な範囲で準備しておきましょう

 

⑤ 8~9ヶ月以内:農地の納税猶予の準備

農地の納税猶予の適用を受ける場合には事前に農業委員会や市役所の証明書を取っておく必要があります。
相続税の申告期限は10ヶ月ですが段取りが増える分、2ヶ月程度前倒しで税額の計算や遺産分割の話し合いを進めなければなりません。

 

⑥ 申告期限まで:小規模宅地の継続要件

居住用や事業用の土地に関して小規模宅地の評価減(50%・80%)の適用を受ける場合には、申告期限まで所有し、使い続けるのが原則です。
引越しや売却を考える場合も申告期限の前と後ではかなり相続税が変わります。
なお配偶者が自宅を相続した場合には、所有と居住の継続要件はありません。

 

次回は申告期限後に意識すべき”期限”について見ていきます。