Limited Liability Partnershipの略で有限責任事業組合と訳されます。
LLまではLLCと同じで最後は「会社」なのか「組合」なのかという点で違いがあります。
<LLCと似ている点>
・組合員の責任は出資の範囲内(有限責任)
・意思決定や分配が出資割合に縛られず自由度が高い。
・ヒト、モノ、カネ、ノウハウなど異なるものを持ち寄って起業する場合に適している。
・設立費用が安い(株式会社なら30万円程度、LLPは10万円程度)。
・構成員の全員一致が原則なのでもめると収拾がつかない。
<LLCと異なる点>
・1人では設立できず2人以上必要。
・株式会社へ組織変更できない。
・法人税がかからず組合員が課税される(構成員課税)。
構成員課税とはパススルー課税とも呼ばれ、その名の通り組合をスルーして構成員である個人に直接税金がかかる制度です。
損失が出た場合には組合員のプラスの所得と通算できます(出資額が限度)。
LLPの設立数は年間400件前後、累計でも5000件ほどで数はLLCに比べるとかなり少ないです。
少ない理由としては構成員課税であるため節税の余地がない点や組合形式によるビジネスが根付いていないことが言われています。
現状の使い道としては研究や専門サービスを共同で行なうための箱というのが多く、次いでIT関連となっています。
似たメリットがあるLLCと比べるとあえてLLPを選ぶケースは共同研究や専門家の結集など限定的と言えるかも知れません。