出国税シリーズ最終回。
今回は納税猶予制度と減額措置を見ていきます。
出国時に株を売ったものとして税金をかける出国税ですが実際には売っておらずお金はありません。
そこで5年間納税を猶予してその間に売るなり帰国するなりして下さい、ということになっています。
納税猶予制度の概要は以下の通りです。
- あくまで猶予であって免除ではありません
- 原則5年、延長の届出をすれば10年
- 所得税+利子分の担保提供が必要
- 毎年3/15に継続届出書の提出が必要
- 売却した場合には4ヶ月以内に納付
また納税猶予の適用を受けた場合には減額措置もあります。
① 出国時より安く売却
→売った時から4ヶ月以内に更正の請求により還付
② 売却時に外国で課税された
→外国所得税の納付から4ケ月以内に更正の請求をして二重課税を排除
③ 5年(延長10年)以内に売らずに帰国
→帰国日から4ヶ月以内に更正の請求により還付
④ 納税猶予期間満了(売らず帰国もしていない)
→時価が下がっていれば納税猶予期限から4ケ月以内に更正の請求により還付
上記の減額規定は③を除いて納税管理人の届出と納税猶予の申請が前提となっています。
何も手続きせずに出国すると税金を高く払って終わり、となってしまう可能性がありますので注意しましょう。