自家用車の売却と税金

posted by 2024.03.8

sportscar_01_img_L

 前回の続きで事業をしていない一般の方が車を売った場合の税金について確認します。

 

3.個人(消費者)

➀ 所得税

≪区分≫

・原則:個人事業主と同様に譲渡所得として課税

・例外:生活に通常必要な動産であれば非課税

”生活に通常必要な動産”とは家具、電化製品、衣服など普通に生活する上で使用する動産を言いますが、貴金属、宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものは除かれます。
メルカリ等で不要になった電化製品や衣服を売っても申告しなくていいのは”生活に通常必要な動産”であるためです。
自家用車は金額的には大きいものの生活に通常必要な動産に含まれるため、所得税は非課税となります。
ただしフェラーリやブガッティなどの超高級車は美術品に近い価値があるので生活に通常必要とは言えず、非課税にはならないケースもあります。

 自家用車を事業にも使っていた場合には、事業用の部分には所得税がかかります。
例えば確定申告で減価償却費の50%を経費にしていた場合には、半分は事業用になるので売却益の半分に課税されます。

 

≪計算≫

 課税される場合の譲渡所得の計算方法は個人事業主と基本的に同じです。所有期間5年超で1/2になる点も同様です。

・譲渡所得=売り値-(帳簿価額+譲渡費用)-特別控除額50万円

・帳簿価額=取得費-非事業用資産の減価償却費

・非事業用資産の減価償却費=取得費 × 0.9 × 0.112(※1)×使用期間(※2)

※1…自家用車は使用頻度が低いので耐用年数を法定の1.5倍にします。乗用車であれば6年 × 1.5=9年(定額法償却率0.112)

※2…使用期間は1年単位で、6ヶ月以上の端数は1年、6ヶ月未満は切り捨てます。

 

② 消費税

・消費税は事業として行う場合に課税される前提なので、自家用車を売るだけの一般の消費者は納税義務がありません。

 

 自家用車の売却については、所得税や消費税がかかることの方がレアケースです。
ちなみに相続税や贈与税については、移転時の時価相当額(≒下取り査定額)を基に課税されます。