ゲーミファイと確定申告

posted by 2023.11.28

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 日経新聞に「ゲーム収益を自動計算 確定申告を簡単に」という記事が出ていました。
小学生の頃にファミコンが発売された世代としては、「ゲームで稼げる」という事実に隔世の感がありますが、「ゲーミファイ」の市場は急成長しており、2028年には380億ドルに達するとも言われています。

 

 「ゲーミファイ(GameFi)」とは「Game」「Finance」を組み合わせた造語で、ゲームで遊ぶことで現実世界でも価値がある暗号資産やNFT(非代替性トークン)を獲得できる仕組みを指します。

 具体的には次のような方法で収益を得ることができます。

① 移動距離などの課題をクリアしたことによる報酬
② トレカを使ったゲーム大会で入賞したことによる賞金
② アイテム(NFT)の転売益やレンタル収入 など

 

 従来はゲーミファイでの稼ぎに関する税務上の取扱いは明確になっていませんでしたが、数百万~数千万円単位で稼ぐ人も出てきたため、今年1月のNFTに関する取扱いの中で整理がされました。

・役務提供(ゲーム)の対価としてNFT等を取得⇒雑所得

・臨時、偶発的にNFT等を取得⇒一時所得(50万円の控除あり)

・NFTの売却益       ⇒譲渡所得または雑所得

 雑所得に該当する場合、儲けで20万円を超えると副業分の確定申告が必要になります。

 

 ゲームの収益なんてばれるんかいな、と思われる方もおられるかも知れませんが、国税庁としてはネット上の取引、特に暗号資産に関する調査を強化しているのでその流れでNFTの動きにも注目しているはずです。

 暗号資産に関していうと、令和4事務年度で615件の実地調査を行い、1件あたり3077万円の漏れを発見し、税額にして1036万円を追徴しています。

 罰則も年々強化されているだけに、確定申告の義務がある場合はちゃんと申告するようにしましょう。