保険会社のハガキも届き、扶養控除等申告書の用紙が配布されるなど年末調整の準備をする時期になりました。
年末調整は年内最後の給料で還付を行い、会社は年明け1月10日(納期の特例であれば20日)までに税務署に所得税の納付をしますが、その続きで市区町村への給与支払報告書(源泉徴収票)の提出があります。
1月31日までに従業員の居住する市区町村に給与支払報告書を提出すると、令和6年度(所得の中身は令和5年)の住民税が計算され、5月頃に会社へ天引額(特別徴収額)が通知されます。
会社ではこの通知を元に6月から1年かけて住民税を天引きし、市区町村に納付します。
ここまでが会社での住民税の一連の流れですが、次回分から電子化が進み、事務負担が軽減されます。
<変更点>
・従来…紙を郵送で受け取り
・今後…会社で紙orデータの選択が可能
<手続き>
① eL-TAXで給与支払報告書を提出して、電子交付を希望
② 市役所から会社へデータ正本とパスワード取得URLファイルが届く
③ 会社は②を従業員へメールや社内システムで配布
④ 従業員はパスワードで開封。eL-TAXのサイトで改ざんの有無も確認可能
③の段階で誤送信がないよう会社において事務的な仕組みを確立しておく必要があります。
またPDFという汎用性の高い形式で配布されるため、内容に間違いがないか、内容が改ざんされていないかといった点を④で確認できるようになっています。
<注意点>
・従来は正本を紙、会社控えをデータで受け取ることができましたが、どちらか一方になります。
・従業員でデータ受け取りが難しい場合、従来通り紙にするか、データで受け取って会社でプリントアウトして渡すことになります(従業員の同意必要)。
紙を給料袋に入れたり、遠方の事業所へ郵送していたことを考えると、メールで配布できればかなり事務負担が軽減されそうです。
1月末に選択する必要があるので早めに準備を進めておきましょう。
地方税共同機構のサイトにはサンプルデータも用意されています。