保険の満期が近づくと保険会社からお知らせが送られてきますが、受け取り方に関して「一時金」と「年金」とを選べる場合があります。
どちらを選ぶかはその時の資金需要やライフスタイルがまず判断基準になります。
住宅ローンの繰り上げ返済や大学の学費など大きな支出の予定があれば一時金を選ぶことになりますし、すぐに資金が必要ではなく退職等により収入が減る時期をカバーしたい場合には年金を選ぶことになります。
では税金面ではどう変わるのでしょうか?
<例>
・満期保険金2000万円、掛金1800万円
・年金は年100万円で終身(80歳と仮定)
・60歳、年収500万円で所得税率10%、住民税率10%
・復興特別所得税は簡略化のため省略
<一時金>
・種類:一時所得に該当
・所得:(保険金2000万円-掛金1800万円-特別控除50万円)× 1/2=75万円
・税金:75万円 ×(所得税10%+住民税10%)=15万円
<年金>
・種類:雑所得に該当
・所得:年金100万円-掛金90万円(1800万円 ÷ 20年)=10万円
・税金:10万円 ×(所得税10%+住民税10%)× 20年=40万円
この例では一時金受取りの税金15万円に対して、年金受取りは40万円と倍以上になっています。
差額の原因は、一時金受け取りの方に50万円の特別控除と1/2課税があり、所得が圧縮されるためです。
ただ、必ずこうなるとは限りません。
年金として受け取る場合で、退職により給与所得がなくなればその年の税率は下がります。
また終身年金の場合は長生きすればもらえる金額が増え、逆であれば減ることになります。
一方、一時金として受け取った場合にはその年の所得が一気に増えるため、扶養から外れたり、国民健康保険料や医療費負担に影響が出ることもあります。
将来の予測はなかなか難しいですが、税金だけでなくライフスタイルや健康保険など様々な事情を考慮して判断していくことになります。