例の事務所の関係で”社名変更”が話題になっていました。
数億円かかるという報道もありますが、何が大変で何にそんなに費用がかかるのでしょうか。
<目的>
・イメージ刷新(今回のような事例)
・知名度の高いサービス名やブランド名に統一(例:松下電器産業⇒パナソニック
・合併や分社などの組織再編 (例:東京三菱銀行+UFJ銀行⇒三菱UFJ銀行
・新ブランドやビジョンの確立(例:福武書店⇒ベネッセホールディングス)
・読みやすさや海外進出を重視(例:東京通信工業⇒ソニー)
<法的な手続き>
・株主総会の特別決議(議決権で過半数出席+2/3以上の賛成必要)
↓
・法務局へ2週間以内に登記申請(費用は登録免許税3万円+司法書士費用)
社名は目的や本店所在地などと同様に定款に記載されています。
定款は会社の”憲法”とも言える重要書類であるため、変更にはハードルの高い特別決議が必要です。
登記自体の費用はそれほどかかりません。
<事務的な手続き>
・各種役所(税務署、県市など自治体、労基署、年金事務所、ハローワーク、許認可関係、特許庁等)
・役所以外(銀行、保険会社、公共料金、不動産管理会社等)
・取引先 (得意先、仕入先等)
役所や銀行等への通知は手間はかかりますが、費用はそれほどかかりません。
取引先への通知は文書発送や訪問での説明などそれなりに費用も手間もかかります。
<ブランディングの手続き>
・ロゴマークの変更(マーク作成、看板の付け替え等)
・印刷物の変更(名刺、封筒など)
従業員数が多ければ名刺の変更だけでも膨大な金額になりますし、店舗が多ければ看板の付け替え費用ものすごい金額になります。
ちなみに松下電器産業がパナソニックに変更した時は、社名変更だけでなくブランド変更も伴ったため、300億円の費用がかかったと言われています。
<経理処理>
・ロゴマークを商標登録…「商標権」10年で償却
・袖看板の制作費用 …「建物附属設備」金属製で18年、それ以外は10年で償却
・屋外看板の制作費用 …「構築物」金属製で20年、それ以外は10年で償却
・プロモーション費用 …「広告宣伝費」
・名刺や封筒の作成費用…「事務用品費」
社名変更は手間も費用もかかるだけにそれを上回る効果があるかどうかの見極めが重要となってきます。