国税庁がリモート調査の取り組みをさらに拡げるようです。
5類移行してるのに? 第9派の懸念? と思ったらそういうことではなく、リモートワークが定着した企業からの要望や調査効率化への対応が拡大の目的のようです。
これまでの流れをおさらいしておきます。
<第1段階> 臨場・対面型抑制調査(大)
・時期:令和2年10月~
・対象:国税局調査課所管の法人(原則資本金1億円以上)
・形態:調査官は本社に来社。会議室にこもって本社経理部や支社担当者からWEB会議システムで聞き取り
<第2段階> 臨場・対面型抑制調査(中小)
・時期:令和3年7月~
・対象:税務署所管の法人
・形態:第1段階と同じ
<第3段階> リモート調査(大)
・時期:令和4年10月~
・対象:国税局の特官所管法人(概ね資本金40億円以上)約500社
・形態:国税局が本社を訪問してパソコンを設置。その後は来社せず国税局のWEB会議システム前に呼び出す形で聞き取り。ただし、固定資産の稼働状況の確認など必要に応じて実地による対面調査へ切り替え
・連絡:調査日程や資料の事前準備についてメールでやり取り
・書類:e-Tax経由(PDFかCSV)に加えて、オンラインストレージにエクセルファイル等を直接入れることも可能
<第4段階> リモート調査(中)
・時期:令和5年中
・対象:国税局調査課所管の法人(原則資本金1億円以上)約34000社
・形態:第3段階と同じ
・連絡:第3段階と同じ
・書類:第3段階と同じ
第4段階は対象が拡がるだけで内容的には第3段階と同じです。
なお、すべてこの条件で調査する必要はなく、形態、連絡、書類のいずれか1つだけというのも可能です。
例えば書類の提出が大量になる場合に、容量の小さいeーTAX経由のPDFではなく、オンラインストレージを使うといったケースです。
またメールですべてやりとりできるのも経理担当者にとって利便性が高いと言えます。
第3段階の試行から1年経たない中での拡大なので、大きな問題は生じていないと考えられます。
今後はさらに税務署管轄の中小企業にも拡大されていきそうです。