日経新聞に「デジタル遺言制度創設へ」という記事が出ていました。
デジタルなので動画で撮るのかなと思ったんですが、そうではなく紙ベースのものをデジタル化してクラウド上で保管するといったものが想定されています。
遺言に関しては選択肢が増えてきたので従来からあるものと併せて内容を確認します。
1.遺言の種類
・公正証書遺言
・自筆証書遺言
・秘密証書遺言
2.公正証書遺言
① 特徴
・公証人に作成を依頼する遺言。
・2人の証人の立ち合いが必要で、作成した遺言は公証役場で保管。
② メリット
・法的に有効な遺言書を確実に作成できる。
・家庭裁判所の検認が不要ですぐ相続手続きが進められる。
③ デメリット
・費用がかかる(財産によって5~20万円程度)
3.自筆証書遺言
① 特徴
・全文を自筆で記入して押印
・証人は不要で、作成した遺言は自分で保管。
② メリット
・費用がかからず、手軽に作成できる。
・遺言内容を秘密にできる。
③ デメリット
・紛失や盗難のリスク
・形式が厳格で不備があれば無効になってしまう。
・家庭裁判所の検認が必要
4,秘密証書遺言
① 特徴
・自分で作成した遺言を公証役場に持ち込む。
・2人の証人の立ち合いが必要で、作成した遺言は自分で保管。
② メリット
・遺言内容を秘密にできる。
・本文は自筆でなくてOK
③ デメリット
・中身はノーチェックなので不備があれば無効になってしまう。
・紛失や盗難のリスク
・家庭裁判所の検認が必要
秘密証書遺言は手間や費用がかかる割には無効になるリスクがあるのであまり使われていません。
公正証書遺言は令和4年で約11万件作成されています。
自筆証書遺言は法務省の推計では1200万人の需要があると言われています。
ただ自筆証書遺言にはデメリットもあるため、それを解消するための制度が、2020年に始まった「遺言書保管制度」や検討されている「デジタル遺言」です。
(つづく)