路線価とは

posted by 2023.05.8

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 令和5年分の路線価が7月3日(月)に公表されることが国税庁のHPでアップされていました。

 昔は8月1日公表で、各税務署に全国の路線価図の冊子が備え付けられていました。
かつては会計事務所でも使いそうな地域の路線価図を購入していましたが、今では国税庁のHPで過去7年分を見ることができます。

 

<路線価とは>

 道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位)

 

<どう決まる?>

 路線価は公示地価の8割程度とされています。
さらに公示地価はどう決まるかというと、不動産鑑定士が最新の取引事例や収益性などを元に評価した金額を調整しています。
公示地価は3月に既に公表されていますが、住宅地で+1.4%、商業地で+1.8%と回復傾向にあるため、路線価も上昇する地域が多いことが予想されます。

 

<何に使う?>

① 相続税や贈与税の土地評価

 相続や贈与の時点での土地を評価する際に使います。
簡単に計算するのであれば「路線価 × 面積」ですが、詳細に評価する際は形や道路の有無なども考慮します。

② 株式評価

 上場株式は株式市場で時価が決まりますが、非上場株式は個別に計算する必要があります。
会社が保有している土地に関しても路線価を使って評価するのが原則です。

③ 売買取引の目安

 土地の売買価格は当事者間の合意によって決まりますが、親族間や関係会社間など”身内”で取引する場合はいかようにも決められます。
高すぎても安すぎても税務署から指摘される可能性があるため、適正な価格で売買する必要があります。
不動産鑑定士による鑑定評価を取るのがより確実ですが、簡易的に評価するのであれば「路線価 ÷ 80%」で時価を計算します。
これは路線価が公示地価の8割程度とされているためで、80%で割り戻すことによって時価を推定するものです。
地域によっては路線価や公示地価より大幅に高い場合や低い場合もありますが、一定の目安にはなります。

 

 一般的には相続税より贈与税の方が税率が高いのですが、急激に地価が上昇している地域では生前贈与した方が税負担を抑えられるケースもあります。
地価が上昇局面にあるだけに、路線価が公表されたら過去の推移も見ながら生前贈与を検討してみてもいいかも知れません。