相続ほっとくとどうなる!?①

posted by 2023.04.28

osoushiki_shinpai

 身内が亡くなった場合、お葬式の段取りや各種届出などやることが山のようにあって悲しむ暇もないほどです。

 そんな中、名義変更の手続きや税金関係の手続きが後回しになって放置されることがあります。
また遺産分割協議でもめていて手続きができないこともあります。
名義変更や税金関係の手続きをせずにほっといたらどうなるのでしょうか。

 

1.預金

 相続があると預金は凍結され、使えなくなります。
そのためほっておく方はあまりおられないと思います。
しかし少額であれば、戸籍謄本等を集める費用や手続きに行く手間の方が残高を上回るため放置されがちです。

 預金は取引がなく10年経過した場合は「休眠預金」として扱われます。
残高が1万円以上であれば10年経過時点で通知が郵送されてきます。
その段階でも相続手続きは可能ですが、さらに10年ほっておくと時効になり、預金保険機構に移管された上で公益事業等に使われます。

 

2.不動産

 不動産の相続登記をしないと売却することができず、不動産を担保に融資を受けることもできません。
ただ相続登記には期限も罰則もなかったため、遺産分割協議がまとまらない場合や価値のない山林等については、相続登記せずに放置されることも多々ありました。
そのことが所有者不明土地や空き家の発生につながり、災害時の復興や有効活用の妨げとなっていました。
そこで民法や不動産登記法等が改正され、2024年4月1日から相続登記が義務化されることとなりました。
したがって今後は放置されることはなくなっていくはずです。

 

3.固定資産税

 不動産については相続登記をしなくても固定資産税はかかります。
毎年1月1日時点の所有者に納付書が送られてくるため、相続登記をしていない場合は亡くなった方宛てに4月頃に納付書が届きます。

 誰が支払うかというと、遺産分割協議ができていればその不動産を相続する人ですが、決まっていなければ共有状態なので相続人全員に連帯納付義務があります。
未分割の間は、一旦代表者が立て替えてあとで精算するか、法定相続分に応じて支払うことになります。

 納付書の送付先を相続人に変更したい場合は市役所に連絡します。
相続登記が完了するとその情報が市役所に伝わるので翌年からは相続人宛てに納付書が送られてきます。

 

 相続税については次回へ続きます。