相続ほっとくとどうなる!?②

posted by 2023.05.1

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 前回の続きで相続後にほっといた場合の相続税への影響について見ていきます。

 

 なお、相続税には時効があるため、申告期限から5年を経過していれば下記の話も関係ありません。
平成29年6月以前の相続であれば4月末時点で5年10か月経過しているため、税務署から相続税を指摘されることもありません。

 

1.基礎控除以下

 財産から債務を引いた課税価格が基礎控除以下であれば相続税がかからないため、相続税に関しては放っておいても構いません。
基礎控除は「3000万円+600万円 × 法定相続人の数」で計算されるため、妻と子2人であれば4800万円となります。

 なお、税務署から「相続税のお尋ね」という書類が届くことがあります。
この書類は税務署が生前の収入や財産から相続税がかかりそうな人に送付しています。
届いた場合には基礎控除以下で相続税がかからなくても提出しておきましょう。

 

2.配偶者が多くを取得

 配偶者が全て相続した場合には1億6000万円まで相続税がかかりません。
この配偶者の税額軽減は申告して初めて受けられる特例であるため、結果的に0円になるからと言って申告せずに放っておくと受けられません

 

① 原則

・申告期限内(10か月以内)に遺産分割が完了
・申告期限内に申告書を提出

 

② 例外(未分割)

・申告期限内に未分割で申告書を提出+3年以内の分割見込書を添付
・分割確定後(申告期限から3年以内)に更正の請求により還付

 分割見込書を提出し忘れると適用がありませんので注意しましょう。

 

③ 例外(期限後)

・申告期限内に遺産分割が完了
・期限後に申告書を提出(期限内の時点で申告していない前提)

 何も手続きしていなかったとしても10か月以内に分割さえできていれば、期限後申告でも軽減が使えます。
揉めていて期限内に分割ができていない場合は、②の手続きになります。
なお、期限後申告には3年以内という要件はありません

 

 長くなるのでもう一つの特例である小規模宅地等については次回へ続きます。