不正還付とマイナンバー

posted by 2022.12.2

kamen_warui_businessman (1)

 最近マイナンバーカードに関するニュースをよく目にします。

 チケットの転売防止酒タバコがセルフレジで買えるようになるといった内容ですが、本人確認ができる機能を活用して利便性を高める取組みです。
健康保険証や免許証との一体化も予定されており、現状約60%の普及率を早期に100%に近づけるため、様々な手が打たれています。

 

 マイナンバーカードを発行するかはともかくとして、マイナンバー自体は平成28年の時点で全員に付されていて、確定申告書への記入も義務化されています。
義務化されてはいますが、書いてなくても罰則があるわけでもなくこれまで特に納税者には影響ありませんでした。
国としても国民の番号へのアレルギーに配慮していた面もあるのでしょう。

 

 ところが先日国税庁のサイトを見ていると「所得税還付申告に関する国税当局の対応について」という文書が出ていました。
要約すると次のような内容です。

・昨今、架空の源泉徴収税額や各種控除額を記載して不正に所得税の還付を受けようとするものなどが見受けられる。

・必要に応じて還付金の支払いを保留し、勤務先等に給与等の支払実績を確認したり、自宅に直接赴き実地で調査を行うなどして確認している。

・還付申告書にマイナンバーが記載されていない場合には、不正還付防止のため、納税者の方々への連絡も含め、必要な確認に時間を要するため、還付を保留する期間が長期にわたる場合があるほか、還付の手続を中断する場合がある。

 

 不正還付については令和3事務年度で191件が処理されており、追徴税額は2億円を超えています。
マイナンバーが記載されていれば架空の源泉徴収票や控除証明書はすぐに見つけられますが、マイナンバーがないと昔と同様に1件ずつ手で確認する必要があり、膨大な手間を要します。

 確定申告書へのマイナンバーの記載率は9割近いようですが、還付申告の場合は必要以上に調べられたり、還付が遅くなるのも困るのでちゃんと書いた方が良さそうです。