住宅ローンの組み方 ② 連帯債務

posted by 2022.10.25

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 前回の続きで共有名義の場合の住宅ローンの組み方について見ていきます。

 

1.連帯債務

① 概要

 1つの借入金について複数の人がそれぞれ全額の債務を負う契約。
例えば夫名義で住宅ローンを借りて妻が連帯債務者となった場合、妻は主債務者である夫と同一の債務を負います。
お金を貸した銀行からすると、いつでもどちらからでも返済を求めることができます。

 言葉が似ている連帯保証は、主債務者である夫を連帯保証人たる妻が保証する形で、妻はあくまで補助的な立場です。
銀行からすると夫が返済してくれなかった時点で始めて妻に返済を求めることができます。

 

② メリット

・収入合算ができるので多く借りることができます。

・ローン契約は1本なので別々に借りるよりも諸費用を節約できます。

・住宅ローン控除を夫婦両方で受けることができます(共有持分に応じて借入金を割り振り)。なお、連帯保証の場合は主債務者でしか住宅ローン控除を受けられません。

 

③ デメリット

連帯債務者は団体信用生命保険に加入できず、死亡した場合も債務が消滅しません(フラット35など一部では加入可能)

 

④ 注意点

・理論上は共有持分に応じて住宅ローンを返済しているものとして住宅ローン控除を適用しますが、実際には一方(例:夫)の口座から全額引き落とされます。
妻は自分の共有持分に応じた返済額を夫に渡さなければ贈与になってしまいますが、家計が一緒であればその中で精算したという形も可能です。

・ただし妻の収入がなくなった場合は返済負担ができず贈与になってしまい、所得税額がなければ住宅ローン控除も受けられなくなります。

 

 次回は最近増加傾向にあるペアローンについて見ていきます。