適正な借入金とは?①

posted by 2022.04.11

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 コロナ禍や物価高、ロシア情勢などにより事業環境は不透明な状況にあります。
国としても資金繰りの面から企業を支えるべく様々な施策を実施しており、借入れは現在比較的しやすい状況にあります。

 

 ではどこまで借りていいものでしょうか?

 

 2つの側面から見ていきますが、1つ目は「自己資本比率」です。

・自己資本比率=自己資本 ÷ 総資産 × 100

 会社が持つ総資産のうちに自己資本が占める割合が自己資本比率で企業の安全性を測る目安となります。
”自己資本”には厳密にはいろいろな要素がありますが、簡単に言うと「資本金+これまで積み上げたきた利益の累計額」です。
自己資本でない部分は借入金や未払金などの他人資本なので、自己資本比率からはいかに借金に頼らずに経営してるかが分かります。

 

 自己資本比率はもちろん高いに越したことはありませんが、業種によっては最初に借入金がないと事業が始められないこともありますし、会社の成長段階において借入金が必要なこともあります。

 全業種平均が40%前後なので、50%以上あれば優良、30%以上で良、20%以下だと要注意と言えるかも知れません。
業種で言うと、不動産業など大型投資を時間をかけて回収する業種では平均で約30%、卸小売や建設業では約40%、サービス業で約45%、IT関係で約60%などとなっています。
設備より人で売上を積み上げる業種では借入金に頼る度合いが低く、自己資本比率は高い傾向にあります。

 

 ただ平均はあくまで平均なので、自社における自己資本比率がどう推移しているか、安全度はどれぐらいなのかということを見ておく必要があります。

 自社の借入金が適正かどうかを見るのがもう1つの側面である「債務償還年数」です。

(つづく)