18歳の税金

posted by 2022.03.31

bushi_genpuku_shiki

 年度末になると「4月からこう変わる」という記事が毎年出ますが、今年は成人年齢の18歳への引き下げという大きな変化があります。

 税金関連にも影響があるので確認しておきます。

 

<相続税>

・未成年者控除(増税)

 相続人が未成年の場合、教育費や養育費の負担があることなどから相続税が軽減されます。
従来は「(20歳-相続時の年齢)×10万円」という計算でしたが、18歳に変わることで控除額は20万円減ります。

 

<贈与税>

・相続時精算課税制度

 60歳以上の父母祖父母から20歳以上の子や孫への贈与は2500万円まで非課税、超える部分は20%の贈与税(相続時に加算して再計算)でしたが、18歳以上の子や孫へ拡大されます。なお年齢の判定は1月1日時点です。

 

・税率の特例

 祖父母や父母から20歳以上の子や孫への300万円超の贈与は世代間の財産移転を促すために税率が低くなっていますが、対象が18歳以上の子や孫に拡大されます。したがって令和4年は贈与の時期によって税率が異なることになります。
なお年齢の判定は1月1日時点です。

 

・住宅取得資金贈与
・結婚子育て資金の贈与
・事業承継税制の受贈者

 もらう側の年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられます。
なお年齢の判定は贈与日です。

 

<住民税>

・非課税範囲(増税)

 未成年者、障がい者、寡婦、ひとり親は前年の合計所得金額が135万円以下(給与なら204.4万円)以下なら非課税になりますが、未成年者の範囲が18歳未満に引き下げられます。

 

<投資>

・NISAの開始年齢

 NISAやつみたてNISAは現状20歳以上で始められますが、18歳以上に引き下げられます。
なお、法改正が2023年1月1日なのでそれ以降の適用で、年齢の判定も1月1日で行うので18歳になってすぐというわけではありません。

 

<相続>

・遺産分割協議

 成人であれば自分で判断してハンコを押せますが、未成年であれば家庭裁判所での特別代理人選任の手続きが必要です。
未成年の定義が18歳未満に変わることで手続きが必要な範囲も縮小されます。

 

 増税になるものは未成年者控除と住民税ぐらいで、それ以外は対象者拡大というものが多いです。
なお国民年金は20歳からで変わりません。これは20~60歳の40年間が満額という前提があるためと思われます。