雇用保険料の値上げ

posted by 2022.04.1

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 雇用保険料は給料から0.3%天引きされていますが、令和4年10月から0.5%に上がります。
月給30万円の人であれば900円→1500円になります。
来年にはさらに上がって0.6%になることが想定されています。

 

 値上げの理由は財政悪化で、コロナ禍で雇用調整助成金の支払いが膨らんだことが主な要因です。
コロナ前は景気が比較的好調であったことから失業者が少なく、雇用保険の積立金は4兆5千億円まで積み上がりました。
そのため、雇用保険料も原則的な率より低く抑えられてきました。
しかし、コロナ禍で雇用調整助成金の要件を緩和し、単価も引き上げたことから支払額は5兆5千億円近くに上り、積立金がほぼ枯渇している状況です。

 雇用調整助成金のおかげで失業率は最も悪化した時期でも3.1%で、リーマンショック時の5.5%より低く抑えることができた面はありますが、財源にも限度があるので、雇用調整助成金の特例措置も少しずつ元に戻していく方向です。

 

 雇用保険料の値上げは令和4年から2段階で行われます。
内訳は次のようになっています。

① 失業等給付 (労使半々) 0.2%→0.6%0.8%

② 育児休業給付(労使半々) 0.4%→変わらず

③ 雇用保険二事業(使のみ) 0.3%0.35%

”労”である従業員負担は①と②の半分なので「0.3%→0.5%→0.6%」と上がります。
”使”である会社負担は①と②の半分+③全額なので「0.6%→0.85%→0.95%」と上がります。

 

 失業手当のイメージが強い雇用保険ですが、中身は3つに分かれています。
それぞれどのようなものか次回見ていきます。