消費税の課税選択のコロナ特例

posted by 2021.07.29

hikaku_ball_man

 コロナの売上げへの影響は業種によって様々ですが、売上げが急減した場合に消費税の還付が受けられる特例があります。
以前にも一度取り上げましたが、まだ使える時期は継続しているので、再変更の仕方も含めて確認しておきます。

 

<ポイント>

・消費税の課税事業者選択やその逆、簡易課税選択やその逆が申告時に後出しで判断できる(原則は事業年度開始前)

・令和2年2月1日~令和3年1月31日のいずれかの1か月で売上げが前年比50%以上減が要件(売上げを証明する書類を添付)

2年縛りがないので「1年だけ課税事業者選択」「1年だけ課税事業者を不選択」ということも可能。ただし元に戻す時は期限が異なる。

・免税が選べるのは2年前の売上げが1000万円以下、簡易課税が選べるのは5000万円以下であることが前提

 

<使える例>

・事業を開始したばかりで免税だが、コロナで売上げが少ないのに経費だけはかかった。

・設備投資する予定で原則課税を選択していたが、コロナによる環境変化で設備投資を取りやめた。

・飲食店が比較検討した上で簡易課税を選択していたが、売上げが急減したので原則課税の方が有利になりそう。

 

<使える期間>

・令和2年2月1日~令和3年1月31日のいずれかの1か月で売上げが前年比50%以上減

⇒最も遅いパターンは令和3年12月決算や令和3年分個人
 

<申請期限>

・課税or免税、原則or簡易の選択は本来事業年度開始の日の前日まで(消費税は転嫁を予定する税金であるため)

・コロナ特例では決算から2ヶ月以内の申告時に数字を締めた上で判断可能。個人であれば翌年3月末

 

<1年で元に戻す場合>

・課税⇒免税:特定課税期間の翌課税期間末日が申請期限

≪例:令和3年5月決算に特例選択で課税にして1年で免税に戻す≫
令和3年7月末までに「課税事業者選択届出書」提出
令和4年5月末までに「課税事業者選択不適用届出書」提出

・免税⇒課税:特定課税期間の申告期限

≪例:令和3年5月決算で免税にして1年で課税に戻す≫
令和3年7月末までに「課税事業者選択不適用届出書」提出
令和3年7月末までに「課税事業者選択届出書」提出

 1年だけ課税にする場合は翌期中に判断できますが、1年だけ免税にする場合は今の時点で判断して同時に提出する必要があるので元に戻すための手続きが異なります。

 

 特殊な事例でややこしいですが、消費税はダイレクトに税負担に影響するので売上げが急減している場合は検討してみて下さい。