昨日の続きでFIREと税金、保険との関係を見ていきます。
1.準備期間
① iDeCo
引退に向けて貯蓄する際にいかに効率よく貯めていくかが重要となってきます。
iDeCoは掛金が全額所得控除できて、運用益が非課税、受取時に対処特所得控除か公的年金等控除が使えるという3段階の税メリットがあります。
ただし60歳まで引き出せないのがデメリットであるため、それ以前に引退する際の元手には使えません。
② NISA
掛金の所得控除や受取時の非課税枠はありませんが、運用益が非課税になることがメリットです。
また引き出し時期も自由であるため、引退時期に合わせて現金化することができます。
2.引退時
① 退職金
勤務先を退職して、退職金を受け取った場合は所得税・住民税が大幅に軽減されます。
例えば18年勤務して40歳で退職した場合は退職所得控除で720万円までは非課税で、超える部分も1/2課税、分離課税で軽減されます。
なおiDeCoや小規模共済の一時金も退職金の枠内に入ってくるので、受け取るタイミングをずらしたり、年金形式で受け取ることも選択肢としてあります。
② 住民税
住民税は1年遅れで来るため、退職の翌年は収入に比べて住民税の負担が重くなります。
あらかじめ住民税も想定して資金計画しておく必要があります。
3.引退後
① 健康保険
引退後は国民健康保険に加入することになりますが、前年収入をベースに計算されます。
上場株式や投信で運用して配当を受け取る場合に申告不要を選択していれば、国保を計算する上での所得はゼロになり、保険料は極端に安くなります。
一方、配当を総合課税で申告した場合やFXのように雑所得として受け取るものは国保の保険料に影響があります。
② 所得税・住民税
上場株式の配当や売却益を特定口座源泉徴収ありにしていれば、利益の20.315%が源泉徴収されますが、申告は不要で、税率もそれ以上に高くなることはありません。
③ 国民年金
引退後は国民年金に加入する(令和3年度:月16,610円)ことになりますが、1号被保険者に扶養の考え方はなく、配偶者にも保険料が発生することになります。
Barista FIREのように社会保険に加入できる範囲のアルバイトをすれば、配偶者を扶養に入れて家族トータルで保険料負担を抑えることも可能です。
FIREを実行する上で、いかに効率よく複利で運用するか、うまく節税していかに手取りを多くするかは重要な要素になってきます。
改正もたまにあり、ややこしい部分ですが十分に検討するようにしましょう。