定款変更について時々相談を受けることがあります。
そもそも必要なのかどうか、変更しないとどういう不都合があるのか、登記は必要なのか、どんな手続きが必要なのかなどなど。
しょっちゅうあるわけではないですが、ちょっとややこしい点もあるので確認しておきます。
1.定款とは
会社の憲法であり、ルールブック。
設立の際に必要で会社名、住所、目的、運用ルールなどが書かれています。
2.定款変更の手続き
<決議>
憲法と言われるだけあって簡単には変更はできません。
変更するには株主総会の特別決議が必要です。
特別決議には、過半数の株主(正確には議決権を行使できる株主)が出席し、その出席した株主の3分の2以上の賛成が必要です。
近しい身内だけで100%の会社であればシャンシャンかも知れませんが、そうでない場合には高いハードルと言えます。
<書類>
設立の時に作った定款は原始定款と呼ばれ、これはこれで残ります。
その後の部分的な変更は、抜粋して株主総会議事録に載せれば可能ですが、変更箇所が多いと何が最新なのか分からなくなります。
変更した場合はその都度最新版に更新した「現行定款」を作成しておくといいでしょう。
変更したものはどこかに提出する必要があるわけではなく、会社に保管しておくことになります。
なお役所などから定款の提出を求められることがありますが、その場合は現行定款の最後に次のような文言をつけて提出します。
「上記は、当会社の現行定款に相違ないことを証明します。
令和○○年○○月○○日
住所 ○○○○
商号 株式会社○○○○
代表取締役 ○○○○ 印 」
3.登記の必要性
会社の登記簿謄本の情報量は定款に比べてずっと少なく、定款の内容が全て登記されているわけではありません。
定款変更をした場合、その内容が登記事項に引っ掛かれば登記が必要で登録免許税や司法書士さんの費用もかかりますが、登記事項でなければただ社内に変更後の定款を保管するだけになります。
よくある変更内容と登記の要否、税務署等への届出については次回へ続きます。