相続税の申告事績

posted by 2021.01.7

family_isan_happy

 相続税はどれぐらいの人が払っているのでしょうか。

 令和元年分の場合、1年間で亡くなった方が138万人。
そのうち11万5千人が相続税の申告をしています。
割合にすると8.3%で12人に1人の計算です。
以前はこの割合が4%ちょっとでしたが、平成27年の増税(基礎控除を6割に縮小)により、倍近くに増えました。
地価の高い東京都ではさらに16.3%に上昇します(6人に1人)。

 

 では相続税はいくらぐらい払ってるんでしょうか。

 相続税の申告をしている人の平均では、財産(課税価格)は1件当たり1億3600万円、相続税は1714万円です。
増税で普通の人にも相続税がかかるようになったとは言え、まだまだ限られた資産家の税金という印象があります。

 財産の内訳としては、土地と預金が1/3ずつ。次いで株式が15%あります。
10年前は土地が半分、預金が23%、株式が12%だったので、土地の割合が下がり、預金へシフトしています。
預金から株式へ誘導する政策も多く実行されてきたので、金額ベースで株式は倍増していますが、財産全体も増加しているため、割合は微増に留まります。

 

 では調査はどれぐらい来るのでしょうか。

 令和元年度はコロナの影響で件数は15%ほど減って、実地調査は10635件でした。
申告した11万5千人に占める割合は9.2%に過ぎません。
「9割は来ないなら大丈夫やん」と安心するのはまだ早いです。
調査に来た場合は85%で何らかの申告漏れが見つかっています。
そのうち、6人の1人は脱税などにより重加算税がかかっています。

 

 税務調査での傾向や地域特性などについては次回へ続きます。