年末調整リターンズ2020 ⑪ 住宅ローン控除

posted by 2020.11.26

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 年末調整の最終回は「住宅ローン控除」です。

 住宅ローンを利用して住宅を購入、新築または増改築工事をしたとき、要件を満たせば入居した年から10年間所得税の控除を受けることができます。
これがいわゆる「住宅ローン控除」で、正式には『住宅借入金等特別控除』と言います。
手続きは初年度は確定申告、2年目以降は年末調整で行ないます。

 住宅ローン控除は多くの人にとって関心の高いものですが、毎年のように適用期間の延長や制度の見直しが繰り返されていて、その規定はかなり複雑です。
適用要件などを改めてしっかりと確認しておきましょう。

 

<原則>

時 期:平成26年1月1日~令和3年12月31日

控除額:年末ローン残高×1%(上限40万円)

 

<例外1 認定住宅>

概要:認定長期優良住宅または認定低炭素住宅に該当すれば、控除額拡大。

時期:平成26年1月1日~令和3年12月31日

控除額:年末ローン残高×1%(上限50万円)

 

<例外2 消費税対策>

概要:10%増税分を吸収するために控除期間を3年延長

時期:令和元年10月1日~令和2年12月31日

控除額:1~10年目は原則と同じ
     11~13年目は建物価額(税抜)※×2%÷3年(上限は原則と同じ)

※建物価額から補助金や住宅資金贈与額は除きます。

 

<例外3 消費税なし>

概要:個人間売買など消費税が発生しない場合は控除額を縮小

時期:平成25年1月1日~令和3年12月31日

控除額:年末ローン残高×1%(上限20万円)
    例外2に該当する場合は上限30万円

 

 最も控除額が大きい<例外2>は令和2年に住み始めることが要件です。
但し、コロナの影響により遅れる場合は、令和2年9月(中古なら11月)までの契約であれば、令和3年末まで住み始める期限が延長されています。

 

<年末調整での必要書類>

・住宅取得等特別控除申告書(確定申告した年の10月頃税務署から郵送されます)

・借入金の年末残高等証明書(毎年11月頃銀行から郵送されます)

 申告書については2年目~10年目に使う用紙9枚が一度に送られてきますので失くさないように気をつけましょう。

 

 年末調整リターンズ、11回にて完結です。